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メーカーが知っておくべき「2026年BIM図面審査」と次なる一手
26.01.08
2026年春より、建築確認申請において「BIM図面審査」が開始されることが国土交通省より発表されています。 設計事務所やゼネコン向けのニュースと思われがちですが、実は建材・設備機器メーカーにとっても、今後の製品選定(スペックイン)のあり方を左右する重要な転換点となります。
「すぐにBIM対応しなければならないのか?」という懸念に対しては、「必須ではないが、準備したメーカーが有利になる時代が来る」という回答です。
本記事では、この新制度がメーカーに与える影響と、自社製品をBIMデータ化することのメリットについて解説します。
2026年春、何が変わるのか?
これまで紙や2D図面で行われていた建築確認申請に加え、新たに「BIMモデル(IFC形式)」を活用した審査という選択肢が増えます。
これは従来の申請方法を廃止するものではなく、あくまで「選択肢の一つ」です。しかし、設計者にとっては、BIMモデルから整合性の高い図書を効率的に作成でき、Web上で申請が完結するこの新しい選択肢は、業務効率化の大きな武器となります。
設計者がBIMでの申請(BIM図面審査)を選ぶようになった時、彼らが最も欲しがるのは「審査に必要な情報があらかじめ埋め込まれた、正確な建材・設備データ」です。

出典:国土交通省「BIM図面審査制度説明会」資料
なぜ「メーカー製BIMデータ」が求められるのか?
これまでの設計現場では、設計者が汎用的な形状でモデルを作成し、仕様書でメーカー品番を指定していました。しかし、BIM図面審査の導入により、この流れが変わりつつあります。
国土交通省が進めるBIMの標準ワークフローでは、確認申請時に「BIMモデル(IFC)」を提出し、建物の形状や属性情報(仕様・性能など)を審査側に伝達します。 ここで、メーカーが提供する「BIMオブジェクト(製品モデルデータ)」に以下のメリットが生まれます。
• 設計者の手間を削減(スペックインのチャンス): 審査に必要な「防火性能」「ホルムアルデヒド発散等級」「認定番号」などの属性情報 が最初から入力されているメーカー製品のデータがあれば、設計者はそれを配置するだけで済みます。入力の手間が省ける製品は、設計段階で選定(スペックイン)される確率が格段に高まります。
• 手戻りの防止: メーカーが保証する正確な寸法・納まり情報を持つデータを使うことで、設計者は干渉チェックや整合性確認を確実に行えるため、現場でのトラブルや手戻りを防げます。
BIMデータ化によるメーカーのメリット:ライフサイクルへの貢献
BIM図面審査は入り口に過ぎません。国の戦略は、建築確認を通ったBIMデータを、その後の「施工」や「維持管理(FM)」でも活用することを目指しています。
• 維持管理(FM)での優位性: BIMデータに品番や耐用年数、メンテナンス情報が含まれていれば、建物が完成した後も、施主や管理会社がそのデータを資産管理に活用できます。 「BIMデータがあるから、メンテナンス計画が立てやすい」という理由で、施主側からメーカーが指名されるケースも今後増えてくるでしょう。

メーカーとして今、何を準備すべきか?
「BIM図面審査」が始まる2026年に向けて、焦る必要はありませんが、他社との差別化を図る準備期間と捉えるべきです。
1. 自社製品のBIMデータ化(IFC対応): 特定のBIMソフトに依存しない「IFC形式」での連携が今後の鍵となります。まずは主力製品から、IFC変換を意識したデータ整備を検討しましょう。主要BIMソフトであるRevitやArchi CADはIFCへの変換が可能です。
2. 属性情報の整理: 形状だけでなく、建築確認審査や法令チェックに必要な「属性情報(性能、仕様、認定番号など)」を整理し、データに付与できる体制を整えることが重要です。
まとめ
2026年の制度開始は、設計者が「BIMで申請するほうが楽だ」と感じるための環境整備です。 その時、設計者の手元に「使いやすい(審査にそのまま使える)自社製品のBIMデータ」があるかどうか。それが、これからの建設業界で選ばれ続けるメーカーであるための重要な鍵となるでしょう。
【参考資料一覧】
• 2026年春、建築確認におけるBIM図面審査を開始! - 国土交通省 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/content/001757621.pdf
建築BIMの意義と取組状況について - 国土交通省
https://bimgate.jp/wp-content/uploads/2023/12/movie_01.pdf
建築BIM推進会議 | BIMナビ | CAD Japan.com
https://www.cadjapan.com/special/bim-navi/know/glossary/promotion-council.html
• 建築分野におけるBIMの標準ワークフローとその活用方策に関するガイドライン - CAD Japan.com
https://www.cadjapan.com/special/bim-navi/know/guidelines/standard.html
