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ベストプラクティス密着インタビュー-BIMobjectのBIMコンサルタント、Marta Gutiérrez氏が語るBIMコンテンツの重要性とは-

25.01.31

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BIMコンテンツ作成に関する7つの質問と回答
2022年12月29日

BIM(Building Information Modeling)の導入を検討しているものの、具体的にどのような利点があるのか疑問をお持ちではないでしょうか。RevitとArchicadのどちらを選ぶべきか、あるいはBIMコンテンツ開発に必要な準備が分からないという課題を抱えていませんか。

この記事では、BIMobjectでBIMコンサルタントを務めるMarta Gutiérrez氏へのインタビューを元に、BIMに関する7つの質問についての回答を作成しました。

Marta Gutiérrez氏とは何者なのか

実務重視の建築家からBIMコンサルタントへ

Marta Gutiérrez氏は、設計理論だけでなく建設現場での実践を重視する建築家です。スペイン・マドリードに拠点を置くMVN Arquitectos(企業名)にて、Palacio de los Condes de Villagonzalo(Villagonzalo伯爵宮殿)のような歴史的プロジェクトを手掛けた実績を持っています。

これらの経験から得た実務的な知見を活かし、BIMobjectに参加。Electrolux、AEG、Zanussi、Luznorなどの大手メーカーと協力し、デジタルライブラリの開発をサポートしています。これにより、メーカー製品のBIM市場への展開を強力に後押ししています。

BIMの利点は何か

正確な材料計算とコスト削減

BIMの最大のメリットは、建設現場で必要な材料を正確に把握できる点です。従来のAutoCADでは、各階ごとに手動で面積を計算する必要がありました。

しかし、BIMを活用することで、設計モデル内に情報が蓄積され、床材や壁材の面積が自動的に算出されます。
このプロセスによって、予算を効率的かつ正確に管理できるようになります。
また、余剰材料の発注を防ぐことで、コスト削減にもつながります。

問題解決能力の向上とプロジェクトの成功率向上

BIMを活用することで、建築家とエンジニアは同じ3Dモデル上で作業し、設計の段階から潜在的な問題を可視化できます。これにより、現場でのトラブルを未然に防ぎ、材料の無駄やプロジェクトの遅延を削減することが可能になります。

また、BIMはクライアントとのコミュニケーションをスムーズにする効果もあります。3Dモデルを活用した視覚的なプレゼンテーションにより、設計意図をより明確に伝えられるため、プロジェクトの合意形成をスピーディーに進められます。BIMの導入は、設計・施工プロセスを大きく変える可能性を秘めています。

運用・保守段階での効率化

BIMは設計段階だけでなく、運用や保守段階でも重要な役割を果たします。例えば、消火器やエレベーターの安全点検を通知する保守管理ソフトウェアをモデルにリンクさせることが可能です。

また、オフィス家具を交換する場合でも、クリック数回でメーカー情報や設置マニュアルを確認できるため、運用効率が飛躍的に向上します。
このように、BIMは建築物の全ライフサイクルにおいて、重要なツールとして機能します。

メーカーがBIMに参加する方法

BIMオブジェクトの開発が不可欠である理由

「市場がメーカーにBIMオブジェクトを求めています。スペインでは公共プロジェクトでBIMの使用が必須条件になりつつあり、欧州全体でも同様の動きが進んでいます」とGutiérrez氏は述べます。

デンマークやイギリス、ブラジルなどではすでにBIMの義務化が進んでおり、BIMオブジェクトを提供することで、メーカーは公共および民間プロジェクトの両方で競争力を維持できます。BIM導入が進む国々の例として、日本では専門家の54%がBIMを活用しており、アメリカでは業界標準となりつつあります。

BIMコンテンツ開発に必要な情報とは

BIMオブジェクトの開発には、製品データシート(Product Data Sheet)が必要不可欠です。この文書は、製品の仕様や性能を詳しく記載したもので、以下の情報が含まれます

  • 製品名やモデル番号
  • 寸法や重量などの技術仕様
  • 使用されている素材やテクスチャ
  • 適用範囲や使用環境
  • 設置や保守に関する情報

たとえば、エアコンのデータシートには、エネルギー消費量、設置環境、動作温度範囲などが記載されています。これらの情報をBIMモデルに組み込むことで、設計者はプロジェクトに最適な製品を選定しやすくなります。

これに対し、Gutiérrez氏は「複雑な製品の場合は、プロジェクトマネージャーが製品に精通していることが、スムーズなBIMコンテンツ開発の鍵です」とコメントをしました。

RevitとArchicad、どちらを選ぶべきか

両方の形式を提供する重要性

Revitはエンジニアリング計算に特化し、Archicadは建築設計において優れています。どちらの形式で開発するかは、製品の用途やターゲットユーザーによって異なります。

可能であれば、両方の形式でBIMオブジェクトを開発することを推奨します。
「RevitまたはArchicadのみを使用する建築事務所が多いため、両形式を提供することで、より多くのユーザーにリーチできます」とGutiérrez氏は述べます。
予算に制約がある場合、より普及しているRevitでの開発を優先することが一般的です。

BIMコンテンツ開発を成功させるために

BIMオブジェクトの開発には時間やリソースが必要ですが、BIMobjectのコンテンツ開発チームは10年以上の経験を持ち、初めてBIMを導入するメーカーにも適切なサポートを提供しています。

BIMを初めて導入する場合、どこから手を付ければ良いかわからないという声をよく聞きます。私たちはメーカーの製品が最適な形でBIM市場に展開できるよう、全力で支援します。

BIMプロジェクトを導入する方法

BIMobjectのコンテンツ開発チームは、製品をBIM市場に展開するための最適なソリューションを提供します。

詳細については、弊社「野原グループ㈱」へお問い合わせください。
野原グループ㈱について
1947年創業以来、建築業界の発展を支える商社として活動。BIM活用支援やプロジェクト効率化のサービスを提供しています。