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建材メーカー必見|BIMobject×3Dデータ作成で実現する海外販路開拓
26.03.23
ブログ

はじめに:国内市場の先を見据える、すべての建材メーカー様へ
日本国内の建設・住宅市場が成熟期を迎える中、建材メーカー各社にとって「BIMを活用した3Dデータ作成による新たな販路開拓」は、もはや選択肢ではなく重要な経営テーマとなりつつあります。新設住宅着工戸数の減少やインフラの老朽化による維持管理・リノベーションへのシフトが明白となる中、多くの建材メーカー様が「海外販路の開拓」を中長期的な経営の柱、あるいは喫緊の課題として模索しています。しかし、従来の海外進出の手法には、言語の壁や物理的な距離という大きな障壁が存在していました。国際的な建築展示会への大規模な出展、多言語に対応した分厚い紙のカタログ制作、そして現地の営業拠点の設立や代理店開拓には、莫大な初期投資と固定費が伴い、投資回収(ROI)が見込めるまでに数年単位の長い時間を要するなど、極めて高いコストとリスクを内包しています。
こうした物理的な制約やコストの壁を劇的に打ち破り、日本の優れた建材を世界中へ届けるための「解決の糸口」が今、建設業界のデジタル化とともに確立されています。それは、物理的な移動やサンプルの国際輸送を伴わずに、世界中の設計者とダイレクトにつながる「デジタル・パスポート」の取得です。それこそが、建設業界のデジタル化を通じてより持続可能な未来を目指す世界規模のプラットフォーム「BIMobject」に掲載された自社製品の3Dデータ(BIMコンテンツ)なのです。本記事では、BIMを通じた新しいグローバル営業の形と、その成功の秘訣について詳しく解説します。
2.言葉の壁を越える、建材メーカーのための「共通言語としてのBIM・3Dモデル」
日本の建材は、細部まで計算された高い機能性、洗練されたデザイン、そして過酷な環境にも耐えうる圧倒的な耐久性を持つなど、世界中の建築プロジェクトで高く評価されるポテンシャルを大いに秘めています。しかし、その魅力を地球の裏側にいる設計者に伝えるために、もはや多額の費用をかけて外国語のカタログを配り歩く必要はありません。現代のグローバルな建設業界において、言語不要で製品の魅力を直感的に伝える最強のプレゼンテーションツール、それは「共通言語としての3Dモデル(BIMデータ)」です。
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)データの最大の強みは、「空間に置けば、すべてがわかる」という圧倒的な直感性にあります。例えば、BIMobjectが無料で提供しているRevit向けの拡張機能「Design App」を使用すると、設計者はRevitの画面から離れることなく、BIMobjectに掲載されている何十万もの検証済みBIMオブジェクトを検索し、自分のプロジェクト(3Dモデル)内にワンクリックで直接「配置」することができます。設計者が皆さんの製品データをモデル空間に配置したその瞬間、実際の空間における正確なサイズ感、照明条件下の色表現、そして周囲の部材との複雑な納まりが瞬時に理解されます。ジェネリックデータをメーカーの実製品データに置き換える作業も驚くほど簡単になり、手動でのダウンロード手間やファイルの散逸による混乱を排除した、クリーンで高速なワークフローが実現します。
日本独自の緻密なものづくりの設計思想が盛り込まれた高品質な3Dデータは、それ自体が製品の精度を証明するものであり、翻訳されたテキスト情報以上に「日本の技術力と信頼性」を雄弁に物語る強力な営業ツールとなります。

3.BIMobjectが実現する、建材メーカーのための「24時間365日のグローバル営業」
作成した高品質な3Dデータを自社のウェブサイトに置いておくだけでは、世界中の設計者に見つけてもらうことは困難です。そこで重要になるのが、世界最大のBIMコンテンツマーケットプレイスである「BIMobject」の活用です。BIMobjectは現在、世界中で600万人以上の登録ユーザー(建築家、エンジニア、インテリアデザイナー、学生など)を抱える巨大なプラットフォームに成長しており、圧倒的なシェアを誇っています。すでに2,500を超える世界中の建材ブランドが参画しており、日夜このプラットフォーム上で製品が選定されています。
BIMobjectに自社製品の3Dデータを掲載することは、従来の「足で稼ぐ待ちの営業」から、プラットフォームの集客力を活かした「世界中のプロフェッショナルから見つけてもらう営業」への劇的なパラダイムシフトを意味します。特に欧州や北米、さらにはアジアの一部など、国や自治体レベルで公共工事等でのBIM活用が義務化されている地域では、プロジェクトの初期段階で「BIMデータが存在しない製品は、そもそも比較検討の選考対象外(スペック落ち)になる」という厳しい現実があります。
逆に言えば、自社のBIMデータさえしっかりと整備してBIMobjectに公開しておけば、皆さんが日本で寝ている夜間であっても、地球の裏側の巨大な都市開発プロジェクトや商業施設の「仕様(スペックイン)」に、自社製品が自動的に組み込まれることが可能なのです。BIMobjectは単なるデータ置き場ではなく、ターゲット層へ影響を与え、マーケティング戦略を最適化し、リード(見込み客)を獲得するための強力なビジネスソリューションでもあります。まさに、24時間365日休むことなく働き続けるグローバルな敏腕営業マンと言えるでしょう。
4.建材BIMデータ成功のカギは「情報のローカライズ」と「品質」
海外の設計者に自社製品を選んでもらい、実際のプロジェクトで採用(スペックイン)を勝ち取るための成功のカギは、単に形状をリアルに再現した3D図面を作ることではありません。BIMデータがCADデータと決定的に異なるのは、そのモデル内に製品の「属性情報」を豊かに内包できる点です。海外の設計者が真に求めているのは、メンテナンスの手順、保証情報、耐火性能、そして近年最も重視されている「環境性能」や「サステナビリティに関するデータ」です。
建設業界は今、よりスマートに、より早く、より環境に優しい(グリーンな)建物を設計することが求められています。
例えばBIMobjectのDesign Appを使用すると、設計者は自らの3Dモデルを同期させることで、無料で建物のライフサイクルアセスメント(LCA:A1〜A3段階のエンボディド・カーボン)を瞬時に実行し、CO2排出量のダッシュボードを確認しながら、環境負荷の低い建材(材料)を比較検討することができます。したがって、LEEDなどの国際的な環境認証に対応した情報や、CO2排出量に関する正確な属性情報をBIMデータに付与しておくことで、環境配慮型プロジェクトにおける採用率は飛躍的に高まります。
また、情報管理の「品質」も重要です。BIMobjectの「Admin API」を活用すれば、自社で運用しているPIM(商品情報管理システム)やCMSとBIMobjectを直接連携させることが可能です。これにより、製品の仕様変更や提供可能な国・地域(マーケット)、対応言語のコントロールを一元管理し、ワンクリックで最新の情報に自動更新することで、エラーを最小限に抑えつつ常に正しい情報を提供できます。 さらに、BIMobjectには数百万人の専門家が製品の品質や使い勝手を評価する「評価・レビュー機能(Ratings and Reviews)」が備わっています。設計者からのフィードバックに真摯に対応し、世界中の標準規格に沿って使いやすい「親切なデータ」を提供し続けることで、ブランドへの信頼性が構築され、品質による高い評価を獲得することができるのです。

5.まとめ:デジタルで、日本の製品を世界のスタンダードに
建設業界のデジタル・トランスフォーメーション(DX)が世界規模で加速する現在、建材市場のルールは根本から覆りました。「良いものを作れば自然と売れる」という時代から、「デジタル空間で見つけやすく、設計者にとって使いやすいデータが整備されている製品が優先的に選ばれる」時代へと完全に移行しています。
BIMobjectというグローバルプラットフォームへの3Dデータの掲載は、単なる電子カタログの配布ではありません。それは、自社の素晴らしい製品を、言葉の壁や物理的な国境を軽々と越えて、世界中の建築現場、そして意思決定を行う設計者のデスクトップへとダイレクトに送り届ける「最短ルート」の構築に他なりません。
莫大なコストをかけて海外に拠点を構える前に、まずは自社の主力製品をデジタル化し、世界中の600万人以上の建築プロフェッショナルが日常的に利用する市場へと「掲載」してみませんか。このBIMを通じた新しい販路開拓は、成熟する国内市場の先を見据え、世界へ羽ばたこうとするすべての日本の建材メーカー様にとって、BIM対応の3Dデータ作成はもはや「制作物」ではなく、海外市場へつながる重要なマーケティング資産です。
こうした時代の変化を踏まえたとき、まず取り組むべきなのは「何から、どの製品を、どのレベルでデジタル化するか」を整理することです。
BIMobjectへの掲載や、建材メーカー向けのBIM・3Dデータ作成について、自社に合った進め方を知りたい方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
